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「聲の形」を見た

先日、Eテレにて映画「聲の形」を見た。
聲の形は、当時シンゴジラに君の名はと怒涛の見たい映画が続いたため見に行くことができず、以降漫画を読み返す程度しか触れていなかった。

そもそも、漫画を映像化すること自体にあまり好感を感じなかったのもあった。
聲の形の作品の性質上、主人公の西宮硝子の"声"を再現するのは至難の技だろうし、自身の脳内キャストは大方好みの声優で勝手に再生しながら読んでいたため、実際に受け入れるのに時間がかかるだろうからだ。

こうしたこともあり、聲の形とはしばらくご無沙汰だったが、今回ようやく見たのだ。


とりあえず見た感想は、「まあ、良かった」。背景美術のクオリティーは流石京都アニメーションと感じたし、配役もそれなりにあっていた(個人的な難癖をつけるなら、上野の声は広橋涼氏にするべきだったのでは?と感じたが、若手声優を起用していながらも、違和感ない演技に感じたのは、音響監督の技術の賜物だろう)。
またストーリーも、単行本7巻分を上手にまとめきったと思う。BGMの透明感は、思わず眠くなるような穏やかさながら、デジタルサウンドのエッジが生きているのではないだろうか。

さて、以上の評価より点数をつけると.........「80点」ではないだろうかと思う。

20点は、真柴の話を省略したからだ。

ここで真柴の話とは、真柴の少年時代のいじめの話である。

真柴は、いわゆる少年時代を「いじられキャラ」として過ごしてきた人だ。
作中(私の勝手な解釈だが)、度々真柴自身がいじられていた過去を明かす場面があったが、どれも「いじめ」としての演出は少なく本人が不快に思う程度で西宮程の過激さはなかったと思われる。
少年時代に、「太い眉毛」を「いじられていた」ことを彷彿とさせるシーン

他人のランドセルまで持たされている小学生をかばうシーン
ここで、なぜ私が真柴のことについて深く注視しているのか。
それは、真柴の作中での存在が、最も読者に近い「存在」であるからではないかと考えたからだ。
この記事を読んでいる読者諸氏も人生で一度は誰かにいじられたり、誰かをいじったりした経験は無いだろうか。その「いじり」が、相手の立場に立った時どれほどの人生に対する影響力があるかは、きっと想像できない。
しかし、作中真柴は「いじられた」立場として、石田と西宮の関係を見ることによって自身も「いじる」立場であるという二律背反的なジレンマに苛まれることになる。




ここで思い出してほしいのは、作品冒頭で石田が西宮をいじめていたときの演出として、「西宮を石田のおもちゃにする」という部分。これがそのまま真柴にも当てはまっているのだ。
石田は西宮をおもちゃにする。
真柴は石田を自身の道化にする。
これは共通すべきポイントでかつ作品のテーマではないかと思うのだ。
人と人の友情が、己を友人によって癒やす行為だとすると、この2つのポイントは見事に当てはまる。にもかかわらず、友情に反して攻撃(=いじめ)を行っているこの関係性が、友情と敵は表裏一体という矛盾を描いたのが、私にとっての「聲の形」なのだ。
無論作中でその結論は無いが、ある意味それが作者大今良時氏の出した結論であったがゆえに、「漫画のキャラクターは皆嫌い」という自己嫌悪とも取れる発言があったのでは無いかと思う。

故にこの作品の大きな対のようで同類の存在である真柴を作中で掘り下げなかった映画を見た時、石田の話のみ一方的に掘り下げて悪の権化の如く描写され因果応報を受けるだけで終わっているのが納得行かなかった。



しかし、演出面、声優の演技面を見てもこの映画は非常に良くできた映画だと、私は思う。監督の山田尚子氏の繊細な描写と、脚本の吉田玲子氏の上手な風呂敷のたたみ方は非常に見ものだ。

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